メリットだけではない電力自由化
課題やデメリットも
電力自由化によって競争が激化し、価格の値下げやサービスの拡充などメリット面が大きく叫ばれています。
自由競争が導入されることで得られるのは果たしてメリットだけなのでしょうか。
電力自由化でも課題・問題点やデメリットがあることを頭に入れておくことが重要となります。
電力自由化最大の問題点は、価格面において実質的に「値上げ」となってしまうパターンも予想されています。
競争によって必ずしも料金が安くなるとは限らず、自由化によって国による規制が緩和された影響によって、これまでは「電気料金の目安」として国が電力会社を監視していたものの、その監視も緩和されることから、自由に値上げすることも可能となってしまいます。
他業種から考える
市場が開放されることによって新規参入企業が相次いでおり、「小売電気事業者」として申請を開始した初日だけでも24社が申請を届けており、自由化が近づくにつれ参入企業数が増え続けています。
他業種でもそうですが、自由競争によって最初は値下げやサービス拡充が図られるものの、長期的視野で見ると課題や問題点も浮き彫りとなっています。
例えば携帯電話業界の課題として、自由競争によって淘汰が進んだ結果、どの携帯電話事業者も同じような料金体系・プラン・サービス内容という横並びの状態になっており、また、マーケティング手法によって実質的に値上げとなるようなサービスの改定も頻繁に行われているデメリットが挙げられます。
課題について
自由化の課題としては、「安定供給」に関しても大きなトピックとして取り上げられます。
猛暑の夏や大雪の影響がある冬などは一時的に大きな電力負担が発生してしまいます。こうした状況においても問題なく安定して電力を供給することができるのか、新規参入企業にとっては未経験であるため問題点として挙げられます。
自然災害が発生した際に停電が起きてしまいライフラインが寸断されても、どのくらいの期間で復旧できるかについても、インフラを担う企業として課題があります。
ピークタイムに電力を安定供給できるのは、大規模な発電施設を持っている電力10社だからこそであり、新規参入の企業とってはいまだ未知数と言わざるを得ません。