電力自由化の海外事情

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海外の電力自由化を分析

自由化先進国・イギリスの事例

電力は国家戦略を担う重要なインフラであり、ほとんどの国において国の規制が入っている市場でした。

海外における事例として、電力自由化の先進国と言えば1999年から一般市場における電力自由化を実施しているイギリスが挙げられます。

サッチャー政権以降、自由競争と市場原理による競争を国営企業にも持ち込む考え方が浸透し、さまざまな事業における民営化が進みました。

日本よりも15年以上自由化を先駆けて実施していますが、必ずしも成功しているとは言い切れません。

自由化当初は4割も電気の卸売価格が下落して恩恵を得ることができましたが、2004年以降は卸売価格の上昇とともに小売価格も上層してしまい、現在では当時の倍の電気料金とされています。

カリフォルニア大停電が有名なアメリカの事例

諸外国の中でも日本と繋がりの大きいアメリカでは、州ごとに電力自由化が解禁され、1990年代後半から各州において市場が開放されてきました。

カリフォルニア州の事例では、電力会社が十分な電力供給を行うことが出来なくなってしまい、2000年から1年間、停電が頻発する現象が起こってしまいました。

天然ガスをはじめとする資源価格の上昇とともに、電力需要が拡大してしまう事態が重なってしまったこともあり、経営状態の悪化や規制によって値上げに踏み切ることができないという悪循環によって輪番停電を行う事態となってしまいました。

海外の中でも最大の自由経済国家であるアメリカでは、完全なる電力市場の自由化によって競争が激化した結果、各事業者の経営状態が悪化の一途を辿っている現状です。

諸外国の事例から学ぶ

海外の事例を見ていくと、成功しているところよりも失敗しているところが多く、自由化を前に暗い影を落としている部分もあります。

しかし、こうした諸外国の先発事例を研究し分析することで、悪かった要因や原因を掴み反省に活かすことができます。

実際に、日本においては特別高圧や高圧といった法人向け市場から段階的に開放がされており、導入の混乱がないように事前準備を進めています。

制度設計上のミスを極力抑えた上で、段階的に自由化へと進んでいる日本では、大規模停電や大幅な電気料金の値上げといったデメリットは少ないと言われているものの、自由化にあたって必ずしもメリットばかりではないということを知っておくことが重要であると言えます。

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