震災以前は割安水準だった日本の電気料金
電力自由化を目前に控えている中で、日本の電気料金は国際的な基準と比べてどの程度に位置付けられているのか考えていきましょう。
日本の電気料金は、1990年代まで国際的にはかなり割高な水準にあったと言われています。
自国でエネルギーを産出することがほとんどできず、従来は化石燃料に頼っていた発電に加えて輸入コストも価格に含まれていたことが原因とされています。
その後、電力会社の経費削減策や原子力発電の効率化やクリーンエネルギーへの転換などを経て、多様な発電方法が確立されてきた影響から徐々に電気料金単価は2010年まで値下がりしてきました。
しかし、2011年に発生した東日本大震災の影響による原子力発電所停止以後、電気料金は再び上昇傾向にある現状です。
為替レートや国家独自の事情
震災以前は、経営努力と技術革新によって電気料金引き下げが実現され、国際的にも割安水準へ進行していました。
これに対してドイツやイタリア・スペインといったヨーロッパ各国では2000年代以降、電気料金の値上げが実施されており、日本の電力会社は国際的にも健闘していたと言えます。
電気料金の国家間比較を行う上で重要とされるポイントに、為替レートの存在があります。
円安や円高といったレートの変動によって電気料金の水準も変わってくることから、単純比較では参考にならないこともあります。
電気料金の安定性や値下げには、国ごとの事情によって異なっており、安定したエネルギー源が確保できるアメリカや水力発電が安定稼働しているカナダは国際的にも割安水準を推移しています。
他国における電力自由化
今後、電力自由化によって企業間の競争が激化することで電気料金の値下げが起こると言われています。
既存の電力会社もこれまで無縁だった価格競争に巻き込まれることで、価格の引き下げを検討せざるを得ないとも言われています。
しかし、国際的には、電力自由化によって競争の激化が行き過ぎて電力を安定供給出来なくなってしまったパターンや、淘汰が起こって反対に寡占が進み、料金が値上げしてしまったケースもあります。
必ずしも「割安になる」という訳ではないことに注意しましょう。
電力自由化に向けて正確な知識を持った上で、お得に節約することが出来るよう情報は常に更新しつつ、国際的な流れや状況についても頭に入れておくことをおすすめします。